スケルトン

プシューッ
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空気の抜ける音と共に電車の扉が開く。
夜も九時をまわったこの時間では、電車から
降りる人も乗る人もまばらである。
そんな中、たった一駅間の移動のために
僕は電車に乗り込んだ。
車内には、一日の疲れのようなものがうっすら
空気に混じっているように感じる。平日のこの時間
だ、そんなもんだろう。
たった一駅、普通なら歩いて移動する距離だが
今日はギターというでかい荷物を抱えているため
電車を使っている、そして毎週のこの移動時間五分は
一週間のなかでもとりわけ真剣に物事を考える時間だ。
お題はいつも決まっている、この電車に乗る前に
弾いていたギターの事今日はセッションについて考えた。
「セッション参加者で伴奏と独奏を取り合う」
セッションという動作を簡単にいうとこうなるが
雰囲気はどちらかというと、楽器を使った対話に近い。
いつもはわりと饒舌な方の僕であるが、楽器で会話
をするというのは、なかなか難しく、うまく喋れない
もどかしさ等を思い出していると、五分なんて5秒
ぐらいの体感時間となる。
今日もひとしきりその五分≒五秒を堪能し、電車を下り
改札口へと向かう。その途中の階段で、自分の行く目の前
視界に飛び込んできたものは
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ミニスカ
ニーソックス
もちろん女子
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…。メイド喫茶が一般テレビ番組でクローズアップされ
たり、映画の一シーンで登場したりする昨今、街中で
このようなファッションを目にする事は少し増えた気がする
お前が言うなといわれそうだが、その大半は中身が伴って
いないケースが殆どではあるが。
ミニスカニーソであることを認識した以上、とくにこれという
こともなく、考え事が続いていた僕は、うつむき加減のまま
階段を上がった。階段の先はT字路で、右に曲がると改札口
左に曲がると女子トイレがある。階段を上りきり顔を上げると
壁に鏡があった。トイレの近くの壁に鏡がかけてあるのは
よくあることだ。
鏡には僕の顔が映っている、そのまわりの風景も映っている
目の前を行く、ミニスカニーソ女子も例外ではなかった。
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…あれ?
骸骨('A`)?
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ケースの大半はやはり大半。
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どうでもいいが
BLACK SABBATHのWAR PIGはやはり名曲。